LArc-en-Cielファン必見!線と余白で相手にイメージさせるイラストレーター粟津泰成
今回ご紹介するアーティストは、イラストレーターの粟津泰成さん。2008年よりイラストレーターの活動をはじめ、女性のイラストを中心に余白の間を感じさせる作品を描かれている。今回2015年4月14日(火)〜4月26日(日)までの期間、原宿にあるギャラリーLE MONDEにて開催された個展“TRICE”に足を運び粟津さんにお話を伺った。
――実は私、LArc-en-Cielのファンでして(笑)『EVERLASTING』のジャケットイラストを制作されていましたよね。
こちらの作品について教えてください。今回のイラストを描く上で難しかった部分と、大切にした部分を教えて頂けますでしょうか?
粟津:僕のLArc-en-Cielに対する勝手なイメージなんですけど、壮大で凄く幻想的なバンドというイメージがありました。それに対して僕の絵は「ファッションイラスト」という形で、あまり線を書かないことを大事にしているんです。最初お話を頂いた時に、素直に作品とリンクできるのかなっていう不安がありましたが、LArc-en-Ciel側からは「凄く素敵な絵のタッチだから、そこの良さは消さず。あまりLArc-en-Ciel側に寄せなくていいから」というお言葉を頂いたので、安心して描きました。
出典:http://www.awazu-illust.com/
与えられた4つのテーマ
――テーマはあったんですか?
粟津:大きいテーマを4つ頂きました。
上の画像はhydeさんの詩を再現したイラストなんですけど、描いて欲しいって言われたものが4つありまして、1つ目が国立競技場。その国立競技場から奥に見える新宿の街並み。そして雨がキーワードで、少し儚い感じでたたずむ女の子。
その後hydeさんが書かれた詩を見て、曲を聴いて…今まで僕は大人の女性を多く描いていたので、少女をどんな感じで描けばいいのかという点は難しかったですね。絵本っぽい感じでいわれていたのですが、それも行き過ぎると自分の良さをなくしてしまうので、そこの兼ね合いは苦労しました。
――CDジャケットのサイズが大きかったですね
粟津:LPサイズですね。今回メモリアルな曲ということで、今までのCDジャケットではなくて、今回の仕様にしたみたいなんです。ハードカバーにして、その中にラルクのメンバーの写真が入っていたり…
――作品が発表されて、その後反応はどうでしたか?
粟津:曲が発売された瞬間に自分のHPのアクセス数が20倍くらいになりましたね。CDジャケットの最後のページにクレジットを掲載していただいていたので、それを見た人が検索してくれたんだと思います。Facebookのフォロー数も一気に増えました。その時感じたのは「LArc-en-Cielは誰でも知っているアーティストじゃないですか」こういった人達と仕事をすると、目に見えてわかる変化がおきるんだなと改めて実感させられましたね。
人生観をイラストで表現したい
――今回、私を描いて頂きました!難しくなかったですか?
粟津:HPには載せてはいないんですが、実は男性を(特におじさん)描くのも好きなんですよ(笑)年齢を重ねるとその人の人生観って顔にでるじゃないですか、シワとかを見ながら表現するのは楽しいです。今後は自分のHPでも、男性のイラストも載せていきたいです。
――これから挑戦していきたいイラストはありますか?
粟津:今までは具象的なイラストが多いのですが、もっとイメージを中心にした抽象的な作品も描きたいです。
――色にはこだわってるんですか?今回描いていただく時に「好きな色はなんですか?」と聞かれたので…
粟津:好きな色を聞いた時に、相手が自分自身で思っている色のイメージと自分が思ってた色と全く違う色を言ってくれたりする事があるんです。それがすごく面白くて…例えば、かっこいいキャリアウーマンな感じの女性の方が「ピンク」とか言われたり、おっとりした感じの女性の方が「青」ですと、クールな色を言われたり…一緒に作っている感じが楽しいですね。
――好きなアーティストはいますか?
粟津:海外のアーティストなんですけど、ファッションアーティストのルネグリュオ、COBY WHITMORE、BOB PEAK。他にもロートレック、ノーマンロックウェルも好きですね。日本だったらOHGUSHI、森本美由紀さんです。
――アーティスト活動をはじめられたきっかけを教えてください、昔から絵を描くことが好きだったんですか?
粟津:物心ついた時から絵を描いてましたね。あんまり勉強が得意な方じゃなかったんです。唯一褒められた事が絵を描くことでした。親も絵に対して褒めてくれたんで、自分の中では絵を描くことが楽しかったんです。当時漠然とですが将来的に絵を描くことを職業にするんじゃないかなと思ってました。イラストレーターになろうと思ったきっかけは、大阪でデザインの仕事をしている時に先程のOHGUSHIさんのWebサイトで絵を見た事がきっかけです。
――出身は関西でしたっけ?
粟津:出身は兵庫県です。卒業後は大阪芸大に通っていました。学校を卒業してから大阪で、3年デザイナーみたいな事をやっていました。でも、絵を描きたいという気持ちが強くて、その人達(OHGUSHI、森本美由紀さん)が通っていた、学校に行こうと思って8年前に東京に出てきました。漠然と東京にはいきたいとは思っていたんですが…その時に夢から目標になりました。
白と黒だけでどれだけ表現できるか
――小さい時からずっと書き続けていたんですか?
粟津:すっと描いてましたね。一時期、漫画家になりたいと思った事もあったんです。自分は白黒の作品が多いんですけど、そういったところも漫画の影響が強いんじゃないかなと思っています。見ている人もイメージしやすいし、自分は規制があったほうが逆に描きやすいというのがありますね。できるだけ描き込みすぎずに、相手にイメージしてもらえる箇所を残すというのは大切にしています。
――いつもは、どんなジャンルのイラストを描くことが多いのですか?
粟津:最近は建物とか緻密なモチーフも描くのが楽しいので、人物と建物などのイラストを描いたりしています。
――気分転換は何をされていますか?
粟津:散歩ですね。あとはギターを引いたりするのが好きなので近所迷惑にならない程度に弾いてます。ちなみにエレキギターはテレキャスを使ってます(笑)
――音楽からインスピレーションを得たりされてますか?
粟津:得てます!音楽って感情とすごくリンクしやすいので、その時に聞いている音楽からインスピレーションが湧いたりしますね。ミュージシャンを描いたりするのも好きです。カートコバーンやジミヘンも描いたりしてます。
――最後に将来的にやっていきたいこと目標など、あれば教えてください
粟津:もっと世界に対しての活動を増やしていきたいです。場所だと、スペインにはすごく行きたいですね。ガウディとか、ピカソの落書きとか普通に見てみたいです!今後は海外に対しての動きを増やしていく予定です。
実際に似顔絵を描いてもらった!
最後に今回の個展ではポートレイトドローイングがあり、似顔絵を描いて頂きました!ちなみに好きな色は「青」と答えました(笑)
Artist
粟津 泰成(YASUNARI AWAZU)
2008年よりイラストレーターの活動を開始。
以後、広告、雑誌、ウェブサイトなどの仕事を手掛ける。
Exhibition
2009年 グループ展「APARTMENT」(MONKEY GALLERY/代官山)
2010年 個展「YASUNARI AWAZU EXHIBITION “PRESENSE”」(MIKISSIMES GINZA/銀座)
2015年 個展「YASUNARI AWAZU EXHIBITION “TRICE”」(LE MONDE/表参道)
Client
西武百貨店・そごう百貨店 , 代官山アドレス・ディセ , atre LIFE SOMMELIER , WORLD , L’Oreal , World Wedding , albion , 文藝春秋 , 東京カレンダーサイト , Q-pot , Restgenol , BeauTV〜VOCE DVD-BOX , ANAYI , elegance , K-BALLET COMPANY , 味の素 JINO , LUSCA Ki/oon Music (L’Arc~en~Ciel) , Prince Hotel , 講談社 , 小学館 , リクルート…etc
Magazine
FIGAROjapon , FRaU , VOCE , domani , eclat , mart , VERY , クロワッサンプレミアム , IZANAGI , glow , ゼクシィ…etc
粟津 泰成(YASUNARI AWAZU)Webサイト
Interviewer
植田 淳平(通称JP)
MediArt管理人