【春画ナイト】笑えてなんぼ!これでわかる春画の楽しみ方

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男女の性風俗を描いた江戸時代の浮世絵の一種である「春画(しゅんが)」。今年2015年9月から東京・永青文庫で国内初の春画展覧会が開催され、その盛況ぶりが伝えられる一方、春画を掲載した雑誌社が警視庁から指導を受けたりと、ここ最近なにかと話題になっています。実際に春画と聞くとあまりよくないイメージを持たれる方も多いのでは?

そんな旬な春画についてもっと知りたい!という要望から11月2日(月)東京・護国寺にて、春画の楽しみ方を知る企画、春画ナイトが開催されました。多彩なゲストスピーカーとシェフ特製の美味しい春画料理が振る舞われ春画の楽しみ方、とらえ方についてたくさんの意見が交わされました。

第1部では「春画にみる人類の性と生と死」をテーマとした春画講座、ゲストは著書『人生が変わる古事記』で知られる宗教考古学者・小出一冨氏による一夜限りの特別授業が行われた。

※画像と内容に関してですが、ここではほぼ割愛させていただいてます。写真で雰囲気をお楽しみ下さい。

 

春画の楽しみ方とは?

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春画という名称はもともとは笑絵(わらいえ)などと呼ばれていたそうで、笑うと呪術的なマジカルな力が春画の中には込められている。笑いというものがわからないと春画は楽しめない。「笑いながら見ていただくのが春画の楽しみ方です」と小出氏は語る。

春画を説明する度に、会場では「笑い」が起こっていた。

小出氏みなさん笑いましたよね?春画というのは笑えるんです。

笑いにパワーがあるという点では、こんなエピソードも。とある大名が病で寝込んだ時に、贈答品として送られたものが「春画10枚、カステラ1つ」だったという話。春画は贈答品だったそうだ。当時、「笑う」ということには病を治す力があると信じられていました。

 

春画を見るポイントは?

春画を見るポイントの1つに衣服を着る事によってフレーム化されたところを見て楽しむこと。際立たされたところを見ることだと小出氏は言う。実はこのフレーム化の技術は日本のAVにも昔から知らず知らずと使われているそうです。日本人のAV男優(加藤鷹etc…)は何故か黒い人が多い、これは女性の肌の白さをを際立たせる為であるらしい。

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出典:xn--eckyfna8731bop8c.jp

最後に小出氏は「笑いの足りない時代だから真面目に春画を観るのではなく、笑えるポイントを見つけて楽しみながら観てくださいな!」と締めくくった。

 

ぼく・わたし・春画

第2部はアーティスト市原えつこさんと小出氏のトークセッション。

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トークセッションの前に市原さんのこれまでの作品や考えをお話しいただいた。

 

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会場ではシェフ特製の美味しい春画料理が振る舞われた。

 

まとめ

春画というのは笑えてなんぼ!今も昔も笑いには力があることが良くわかりました。今回の参加者が約50名でそのうち女性が8割、男性2割でした。中には外国人の方もいらっしゃたのですが、日本の歴史や文化を春画から学べたということで大変好評でした。私個人では、外国人観光客に対して春画や相撲など日本の伝統的なものを事前に英語で勉強できるようなイベントがあればおもしろいなと思いました。春画展は 12月23日(水、祝)まで東京・永青文庫で春画展は開催されているので、是非足を運んでみてはいかがでしょうか。

SHUNGA 春画展

 
登壇者 紹介
<小出一冨氏プロフィール>
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出典:10over9-readingclub.jp

現在はTV局で勤務しながら、自由大学の人気講義「ファンタスティック古事記」「ワールド宗教学」の教授をされている。東大中退、海外留学、漢文学者、宗教考古学者、作家、DJ、カクテル講師、古武術の宗家、国際弁護士、など多彩な経歴の持ち主。以前にケンブリッジ大学図書館のアオイパビリオンでの春画講座を担当されたこともあり、この道の専門家でもある。

<市原えつこさんプロフィール>
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1988年、愛知県生まれ。早稲田大学文化構想学部表象メディア論系卒業。学生時代より、日本特有のカルチャーとテクノロジーを掛け合わせたデバイス、インスタレーション、パフォーマンス作品の制作を行う。主な作品に、大根が艶かしく喘ぐデバイス《セクハラインターフェース》、虚構の美女と触れ合えるシステム《妄想と現実を代替するシステムSRxSI》、脳波で祈祷できる神社《@micoWall》等がある。2014年《妄想と現実を代替するシステムSRxSI》で文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門審査委員会推薦作品に選出。

 
記事をまとめた人:JP(MediArt管理人)
Twitter ID:@pandawawapopo
 


2015-12-06 | Posted in EventComments Closed