障がい者施設に訪問して体験したアートの力(下)
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――出張美術館が気になりました。これは?
松田:前の施設の関係者に作品見てもらおうと思って展示会に誘ったんですが仕事が忙しいから外出できないっていわれて..その時に「これないんなら持って行くから待っといて(笑)」って言ったのがきっかけなんですけど。で実際に施設に作品を持っていって、寮のいろんなところに飾らせてもらったんです。あとは入居者の方に実際に絵を描いてもらったり、アートに触れる機会を提供できたと思います。
具体的な内容としては
「鑑賞」作品を見てもらう事、「表現」モナリザに変身してもらい体験してもらいました。最後に施設に飾ってもらい「発表」の場を作りました。もう一つのは障害をもたれた方が描いた作品って凄いんだよって、職員に向けてできないかなと思っていました。やはり周りの職員がこれはすごいねって思わないと、取り組みがひろがらないと思ったので職員向けにやったということもありますね。5~6回くらい続いています。
――他業種のコラボレーションをやっていきたい!
松田:フルートの演奏者の方がいまして音楽と絵のコラボレーションという形でホールの舞台に絵を飾らせてもらって、演奏する企画をやりました。あと岡山に「ピアット・ノノ」というイタリアンレストランがあって実際にそのお店の中にアートを飾らせてもらうという取り組みもさせていただきました。オーナーさんが瀬戸内芸術祭の後、自身のレストランにおいてもアートと食のコラボレーションをテーマにお店をされていて、そこでこのような企画を提案したところ了承していただきました。やはり「食もアート」だなと。
こういったイベントが良いなって思うのは最初に障害者というところから入らずにアート(作品)から入るのでいいですね。
――将来的には障害者芸術祭をやってみたい!
松田:他の県では県が主催して、障害者のアート活動の発表の場を開催する「障害者芸術祭」という取り組みがあります。問い合わせてみたら岡山ではやっていなかったので自分たちから岡山県北発信でそういった芸術祭ができたらいいなと思っています。
――林原国際芸術祭 希望の星「フクロウ」展
林原国際芸術祭選考で「スカイハート灯」より6名の方が入選されました。テーマは「フクロウ」。今回の作品は10月にニューヨークで展示され、オークションにかけられたとの事。今までの取り組みが少しずつ形になってきています。
最後に
最初、私も正直びっくりした。障害者の方がこんな素晴らしい作品を描かれることを。絵や作品をつくる事で世の中に認めてもらう事。アートには、人が生きるのを助ける力があると感じた。
お時間がある方は是非一度「スカイハート灯」まで足を運んで欲しい。元々廃校だった建物を施設として再利用し、現在作業場と各教室がアトリエになっている。
特定非営利活動法人 灯心会スカイハート灯
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